少年たち 危機一髪!

【一幕】

 


★第1景 オープニング

 


(「皆さんこんにちは、あおい輝彦です。僕も半世紀前に、このジャニーズの舞台で青春の一時を過ごさせてもらいました。戦争を知らない若い彼らが、この作品をどのように感じ、どのように作り上げていくのかを、僕も楽しみにしています。皆さんどうぞ、ごゆっくりお楽しみください。」)

 


~時の彼方~Fight~Night In New York~

 


(ナレーションの後、幕が開くとそこには岩本

一人だけ。岩本のソロダンスから始まり、すのすとが登場。お互いを殴り合い、対立する二つのグループ。)

 

 

 

★第2景 刑務所の少年たち 

 


(看守長「お前たち!何をやってるんだ!ここでは喧嘩は禁止だと何回も言っているだろう!」)

ジェシー「This is not a fight, we're just training!」

深澤「ここで喧嘩がダメなことくらい、このバカでも知ってますから!」

北斗「そうそうこのアホでも知ってますから!」

深澤「なんだと!!(渡辺が止めに入る)」

佐久間「まあまあ看守長さん!そんな古臭い制服なんか着てないで、メイド服でも着たらどうですか?萌え~!(言った後に怒られて深澤の後ろに隠れ、顔だけぴょこっと出す)」

高地「そんなに怒ってたら血圧あがりますよ~?」

樹「血圧上がって体調崩したら、商売も上がったり!」

高地「うまい!」

阿部「シャバに出たら、ここの実態を暴露してやるからな!」

渡辺「ああ…後悔しても知らねーぞ」

 


(看守長「黙れ!!!…とにかく今度騒ぎを起こしたら出所はお預けだからな」)

「「「上等じゃねーか!!!」」」

 


~俺たちは上等~

 


「「「ふん!」」」

(曲が終わると、お互いそっぽを向き、別れていく二つのグループ)

 


ジェシーと岩本だけにスポットライトが当たり)

ジェシー「岩本…」

岩本「………」

 

 

 

★第3景 それぞれの事情

 


京本「6月10日。刑務所で新しい暮らしが始まった。でも、きっと何も変わらない。ずっと独りで生きてきたんだ…ここに来てからも、そしてここを出ても…」

ジェシー「Hello,my name is Jesse.What's up?」

京本「ジェ、シー?(表情が明るくなり)俺は京本っていうんだけど…!あ、京本の京は京都の京に本屋さんの本で…分かるかな?」

ジェシー「日本語、ちょっとだけなら!…お前、何でつかまった?」

京本「俺は孤児院に入ってたんだ。小さい頃親に捨てられてさ。そこでみんなにいじめられて、親の悪口を言われたから、そいつを殴ったんだ!親の顔も見たことないのに、カッとなって殴った…」

 


~僕に聞くのかい?~

 


北斗「お前何やってんだよ!」

高地「そこは俺たちの縄張り!」

京本「ここにいても、良いですかね?」

樹「ダメー!!!はい、降りた降りた!」

慎太郎「どうだった?俺のパンチ」

京本「ゴリラかと思いました!」

慎太郎「こう見えても俺、ここに来る前は族の頭はってたんだぜ!」

北斗「いちいち自慢すんなよ!お前のチーム6人だけだろ?」

慎太郎「6000人だぜぇ~」

ジェシー「こいつは、京本!京都の京で、京本!OK?Let's sing!」

 


慎太郎「ジェシー、お前ほんと音楽好きだね」

京本「俺も音楽は好きだよ!一人でいる時に、色んな音楽を聴いたし…!」

ジェシー「Nice! I love music too…昔、一緒に音楽をやってた仲間がいた」

京本「いたってことは、今は…?」

北斗「まあまあまあまあ、そんなこと良いじゃん!お前音楽好きなんだよな?俺たちみんな音楽が好きなんだ!なあ樹、お前も音楽仲間だよな?」

樹「俺も?まあいいやそれで!じゃあ、仲間になった挨拶ついでに俺たちのとっておきの話聞かせてやるよ!…俺たちはな、ある人のためにバーテンダー目指してんだ!」

慎太郎「あ!飯の時間だ、早く行こうぜ!今日の飯は○○(大根1本!とかアドリブあり)」

樹「それもこれも、あの人の喜ぶ顔が見たかったからなんだよな。そしてその日は訪れた。あれは、忘れもしない月の綺麗な夜だった…どうだ、泣けてくるだろ?」

高地「じゅりいいい!!!!誰もいない!!!」

樹「ほんとだ!!おい、置いてくなよー!!」

 


(看守長「閉ざされた闇、塀の中。お前たちはここを出ても、世の中の落伍者というレッテルが貼られる。なあ岩本、お前に夢や希望はないのか?」)

岩本「そんなもの、ここに来る前に置いてきた。(ドラムに向かって歩き出す)ある日、俺の大事にしていた絆が音を立てて切れたんだ。同じ夢を目指したあいつが俺を裏切った。…俺は地獄に突き落とされた!」

佐久間「(ベース)それなら俺だって同じだ。誰も俺のことなんか分かってくれない!だから分からせようとして、ナイフで人を刺した」

阿部「(ギター)人から理解されないのなんて当たり前だ!俺は頭が切れすぎた。他が俺について来れなかっただけだ」

深澤「(キーボード)あいつを助けたかっただけなのに…何をやってもうまくいかない。俺はそういう星の元に生まれちまったんだ…」

渡辺「まともってなんだ?胸にバッチをつけてるやつはまともか?一流の大学を出たやつはまともなのか?」

宮舘「親になったやつはまともなのか?お前はまともなのかよ?」

渡辺「分かってねえな俺はまともだからここに来たそう思ってる」

(看守長「まともじゃないからこんなところにいるんだろう!渡辺、お前は何をやったんだ?」)

渡辺「俺は人を殺めた」

(看守長「(ため息)宮舘、お前は?」)

宮舘「俺は、怒りに任せて警察の野郎をぶん殴った!」

(看守長「岩本、お前は何をやった?」)

岩本「俺は…お前らには関係ねえ!!!」

 


~嗚呼思春期~

(イントロ)

岩本「心の中には嵐が吹き荒れている。

失った時間は取り戻せやしない。

俺の思い、分かってたまるか!!」

 


(間奏)

阿部「ここじゃあ風なんて吹かない。風でも吹いて、この嫌な思いも吹き飛ばしてくれりゃー良いんだけど」

深澤「ちょっとした間違いが、人を狂わせる。一度狂った人生の歯車は、もう元には戻せない」

宮舘「塀の中に入って初めて味わった屈辱…俺さ、一等賞取ったことないんだよ。これからも縁がないんだろうな…力があれば一等賞取れんじゃねーのかよ!この拳の痛みはなんなんだ!!!」

佐久間「俺の思いを飛ばしてやるよ!どこまでも、いけるところまで。この空の彼方で、夢を掴んでやるよ!」

渡辺「俺たちの叫び、聞こえてんのかあああああ!!!!!!」

 


~HEART BREAK CLUB~

 


佐久間「あ~すっきりした!」

京本「お前たちも音楽やってるんだ!」

宮舘「お前には関係ないだろ」

渡辺「どけよ」

阿部「邪魔だよ」

京本「…こわぁ…」

 

 

 

★第4景 回想

 


京本「よっこいしょーいちっと。(アドリブあり)ここには色んなやつがいる。でもみんな、争ってばかりだ。…あ!(一人掃除をするジェシーを見つける)俺も手伝おうか?」

ジェシー「いいよ、ここ俺の担当だし…」

京本「そっか」

ジェシー「それは?」

京本「日記を書いてるんだ」

ジェシー「日記?」

京本「えーと、diary!」

ジェシー「Oh,diary!」

京本「かけがえのない毎日を、いつも覚えておきたいからさ…やっぱり手伝うよ」

ジェシー「ありがとう」

京本「ジェシーは、岩本と何かあったのか?」

ジェシー「…」

京本「嫌なら良いんだ!ちょっと気になっただけだから、」

ジェシー「違うんだ、京本には聞いて欲しくて…」

 


(ルンルンしながら階段を上がる岩本。ジェシーと岩本の回想シーンが始まる)

岩本「あー、よっこいしょっと。(アドリブあり)(あっちーなー。)」

ジェシー「岩本、岩本…?いた…!練習さぼちゃダメだよ」

岩本「なあ、俺たちってメジャーになれるのかな?」

ジェシー「諦めたらダメ、やるしかない!俺たちの夢を叶えるために!」

岩本「叶うといーなー」

ジェシー「叶うと良いなじゃなくて叶えるんだ!」

岩本「ジェシー、お前ってやつは本当にポジティブだよな。最初はその性格がちょっとうざかったけど。いつの間にかお前の影響を受けて、俺も音楽をやりたい、メジャーになりたいって思うようになったんだ」

ジェシー「でも、全然やる気がない!今日もどこにいた?」

岩本「大事な用があったんだよ」

ジェシー「大事な用事?練習以外にどんな大事な用事があるっていうんだ」

岩本「まあ、色々あんだよ(指折り数える)」

ジェシー「色々って!」

岩本「んだようるせーなー!」

ジェシー「(じとっとした目で岩本を見る)」

岩本「分かったよ話すよ!!…(ロザリオを差し出す)」

ジェシー「なにこれ?」

岩本「ロザリオだ。日本じゃ願い事がある時に、神社や寺にお参りして、お守りを買って身に付けたりするんだ。でも、お前は日本の生まれじゃないからご利益なさそうじゃん?それで教会に行ってもらってきたんだ。(すごく嬉しそうな、得意気な顔。)結構探すの苦労したんだぞ?ミュージシャンになるなら、かっこいいのが一番だろ!」

ジェシー「俺の…ために?」

岩本「お前のためにじゃない。お前と俺の、夢のためにだ」

ジェシー「でも、なんで?」

岩本「お前には色々迷惑かけてるからな。まあ、俺の罪滅ぼし!お前と俺の夢を叶えたいっていう証みたいなもんだ」

ジェシー「ありがとう」

岩本「気にすんな、」

 


京本「そんなに仲良しだった二人が、どうして…?」

 


岩本「おいジェシー、これなんだ?これ、今度のコンテストのデモ音源だろ?」

ジェシー「それ、どこで…?」

岩本「演奏してるの、俺を裏切った昔のバンド仲間のあいつらだよな?どういうつもりだ?お前まで俺を裏切るつもりか?!」

ジェシー「違う!次のコンテストは、国内最大級のコンテスト。そのために、新しい曲を書いた。それで、あいつらの力を借りた…お前と歌うために…(岩本がジェシーに殴りかかる)」

岩本「ふざけんな!こんな作り話通用すると思ってんのか?お前俺をバカにしてんのか?」

ジェシー「そんなことない!お前は俺の、大切な友達…」

岩本「友達友達ってバカのひとつ覚えか。やっていいことと悪いことの区別もつけらんねーのかよ!お前は俺を裏切って、昔の仲間とデモ音源を作った。それが事実だろ!お前だけは…本当の仲間だと思ってたのに…」

ジェシー「違うんだ!岩本!…何で…何で分かってくれないんだよ!!」

 


~Rival~

ジェシー「二人の夢を叶える、大切な曲なんだ」

岩本「何が夢だ。お前一人で見てるだけだろ」

ジェシー「俺たちの約束破るのかよ?」

岩本「勘違いすんな、その約束を破ったのはお前だ!」

ジェシー「岩本!!」

 

 

 

★第5景 対立と和解

 


京本「そっか…」

ジェシー「それから岩本は、悪い奴らとつるむようになった。俺が、勘違いさせたせいで…それで、俺もここに…」

京本「ジェシーは本当に優しいんだね」

ジェシー「…(首を振る)でも、岩本との曲は優しくて前向きになれるんだ。もう一度一緒に、歌いたかったな…そうだ、京本はどんな曲が好きなんだ?」

京本「俺か?そうだなー、俺は…」

 


~この星のHIKARI~

 


宮舘「お前らうるせーんだよ!」

「あ?なんだとこら!!」

深澤「体に教え込まないと分からないようだな」

高地「上等だ!教えてもらおうじゃねーか!」

佐久間「教えてやっても良いけど高くつくぜ」

慎太郎「今日こそお前らと決着つけてやるよ!」

京本「何で、何で争ってばかりいるんだ…!何か俺にできることはないのか?!」 

 


~闇を突き抜けて~

 


京本「ここで争ったって何の意味もないだろう!」

渡辺「ここにいることに何の意味を見出だせっていうんだよ」

京本「それは…」

慎太郎「しょうがねーだろ!こんなところにいたら喧嘩でもしてねーと体がなまっちまうんだよ!」

樹「そうだよ、喧嘩以外にどうやってストレス発散しろって言うんだよ」

京本「でも、他に何かあるだろう!」

宮舘「こんなところに何があるって言うんだ」

ジェシー「京本…仕方のない、ことなんだ…」

京本「…ジェシーほらあの歌!」

慎太郎「歌?歌ならさっきさんざん歌っただろ!闇を突き抜けて~ってな!(アドリブあり)」

京本「違うんだ!もっと明るくて、前向きになれる歌があるんだ!」

佐久間「アニソンか?」

京本「佐久間うるさい!(アドリブあり)ほら、ジェシー歌って?」

ジェシー「でも…(岩本の方を見る)」

岩本「俺には関係ない話だ。勝手にしろ(立ち去る)」

ジェシー「(一度うつむいてから)~さよならとお別れのあいさつを言うかわり 君にこの歌を僕はおくりたい~」

阿部「良い歌じゃないか!!」

宮舘「ああ、こんな良い歌聴くと和んじまうな!」

京本「なあみんな、こんな小さな世界で争ったって仕方ないんだ。オレンジも緑も関係ない、俺たちはみんな仲間なんだ」

 


慎太郎「じゃあ、今日のところは一時休戦ってことで!」

「よし、汗もかいたところだし!みんなで風呂でも入るか!」

「「「そうだな!」」」

慎太郎「大変だ、お前らと喧嘩してたらもうこんな時間じゃないかあああああ!!!!!」

渡辺「ほんとうだああああ!!!!!もう風呂の時間に間に合わなああああああい!!!!!!」

 


(みんながお風呂場に向かうと、一人背中を向けて佇む岩本)

岩本「お前ら、さっさと入れ!」

阿部「兄貴ぃ~今日もキレキレっすね~!」

岩本「まあな」(「お前が言うと腹立つな!」「その言い方わざとらしいな」の時もあったから、その日によってちょっと違う)

樹「はいじゃあみんな体洗うぞ~!まずは右手ー、左手ー!左隣の人の背中を洗ってー!次は右隣の人のお・し・り!」

「あー、気持ちいいなー!」

「風呂入るのなんて一週間ぶりくらいだよな」

深澤「はいはいはい!俺みんなに隠してたことがあるんだ。実は俺たち、兄弟なんだよね~!」

北斗「兄ちゃん!」

深澤「弟よ!!」

「「「えっ??!!!まじかよ!!」」」

深澤「何て言うか、この和解モードに乗っかって言ってみた!2つのグループが対立してたから言い出せなくてさ」

北斗「みんな殴り合いしてる時、俺たちだけ殴ってるフリしてたんだよな!」

「なんだよそうだったのか」

「全然気付かなかった」

岩本「他にも何か隠してることあるやついるだろ?なあ○○(指名制暴露)」

岩本「そんなの隠し事って言わねえよ。なあ○○」

 


宮舘「じゃあみんな隠してること俺から一人ずつ言ってこうぜ!」

(宮舘慎太郎深澤北斗ジェシー京本佐久間樹阿部高地渡辺岩本の順に隠し事暴露。

からの岩本以外で桶ダンス)

 


岩本「お前ら!安心してる場合じゃないさっさと服着ろ!ったく入浴時間過ぎてるのにあいつらいつまで入浴してんだよ!それにしても、(この後はアドリブ)」

深澤「(岩本のアドリブに対してのツッコミ。これもアドリブ)岩本はそういうことやらなくて良いから!俺の仕事がなくなる!!」

 


渡辺「あー、なんか安心したら腹へったなー(両手を伸ばしリラックスした瞬間に殴られる渡辺)」

宮舘「渡辺!(同じように殴られる宮舘)」 

京本「こんなのおかしいだろ!!」

(看守長「何をしているんだ!入浴時間はとっくに過ぎているぞ!お前たち全員懲罰房だ!…と言いたいところだが、懲罰房の数が足りない…」)

佐久間「ふっ、だっせ…」

(看守長「その代わりに、お前たち全員一週間飯抜きだ!」)

京本「渡辺、大丈夫か?」

渡辺「俺は全然大丈夫でも一週間飯抜きの方が辛くない?だって今日の夕飯カレーだったんだぜ??」

慎太郎「ええええええ!俺も○○大好きなのに!!!!(アドリブ)」

深澤「さっきの話聞いてました?」

 

 

 

★第5景② 少年たちの夢

 


(「それから一週間、少年たちの空腹は限界に達していた。それでも不思議と、彼らの心は満たされていた…あの歌が、彼らの心を繋いでいたのだった」)

 


京本「お前ら何やってるんだ?」

渡辺「テレビ見てんだよ」

阿部「今日は月1のテレビの日!」

渡辺「でも全然面白い番組やってねーんだよ」

佐久間「本当だよなー、この時間にもアニメの放送やってくんねーかなー」

渡辺「あー俺は音楽が聴きてーなー」

阿部「俺さ、テレビの力ってすごいと思うんだ!一人じゃ伝わらないことも、テレビの力があればたくさんの人に伝わるだろ?」

渡辺「じゃあこれどうだ!『アニメのアイドルが、歌いながらニュースを伝える番組』」

阿部佐久間「「それ良いな!!!」」

佐久間「あ、流れ星!アニメのアイドルが歌いながらニュースを伝える番組が作れますように!アニメのアイドルが歌いながらニュースを伝える番組が作れますように!アニメのアイドルが歌いながらニュースを伝える番組が作れますように!」

京本「叶うと良いな、」

阿部渡辺佐久間「(グーサインで頷く)」

 


樹「よう京本!」

京本「それは…何?」

樹「これか?俺たちさ、バーを開くのが夢なんだ」

高地「でも、ただのバーじゃないぜ?俺たちがパフォーマンスをするんだよ!」

樹「あの手この手を使って、お客さんを喜ばせることの出来るバーテンダーを目指してんだ!」

高地「だからこうして、練習してるってわけ!見てろよ?まあ、ここには牛乳瓶しかないけどな…(パフォーマンス失敗してしまう)」

樹「おいおい高地何やってんだよ。俺がやるから見てろよ?(やはり失敗)」

京本「頑張れ、」

 


宮舘「お前、ここ出たら何するんだ?」

慎太郎「俺か?俺はー、ダンスでもやろうかな!お前も一緒にやるか?」

宮舘「良いなあ!でもチーム組むならリーダー決めないとな」

慎太郎「は?俺だろ!」

宮舘「何言ってんだ俺だろ!!」

慎太郎「早食いで勝負しようぜ」

宮舘「ああ、望むところだ!でも俺野菜嫌いだからお前にやるよ」

慎太郎「じゃあ俺はパン食えないからお前にやるよ!」

宮舘「これじゃ勝負になんねえだろうが!!」

慎太郎「何だと!!!」

京本「二人とも落ち着いて、」

宮舘「京本、お前は何が嫌いなんだ?」

京本「俺は…牛乳…」

慎太郎宮舘「「牛乳は背が伸びるからちゃんと飲め!」」

京本「はい」

 


北斗「なあ兄ちゃん。ずっと気になってたんだけどさ、俺たちって本当の兄弟だよね?」

深澤「なんだよ急に!」

北斗「だってさ、目の形とか似てないじゃん?」

深澤「確かに…似てない」

北斗「鼻の形も似てない…」

深澤「ああ…」

北斗「それに顔の大きさも…(深澤「やめろおおおおおお!!!」)」

北斗「やっぱり俺たち本当の兄弟じゃないんだ!!!」

京本「まあまあまあまあ、兄ちゃんの顔が大きくても、心が繋がっていれば良いじゃん!」

北斗深澤「「言われなくても分かってるわ!」」

京本「仲良しだなあ」(全体を通してアドリブあり)

 


京本「みんなの夢が、叶うと良いな」

 

 

 

★第6景 ジェシーの徴兵

 


(「少年たちの刑期もあと少し。…出所。彼らにとってそれは別れを意味する。こんな形で別れが来ることになろうとは、誰も知る由がなかった」)

 


高地「あー、もう少しで出所かー!」

京本「でも、みんなともお別れなんだよな」

宮舘「慎太郎とはここを出ても一緒だけどな」

慎太郎「まあ、一緒にぶちこまれたしな!出所の日も一緒だし」

「え、それどういうことだよ?」

慎太郎「俺ねー、宮舘とダンスすることにしたの!」

「なんだよそうなんだ!頑張れよ!」

 


(看守長「ジェシー、来い」)

ジェシー「俺…?」

(看守長「おめでとう、出所だ!」)

「「「うおー!!」」」

「良かったじゃん、おめでとう!」

「一番最初じゃねーか!」

(看守長「ジェシーにはここを出たら、外国に行ってもらう」)

ジェシー「…どうして?」

(看守長「お前はこの国の人間じゃない。ここを出たらその国の法律に従ってもらう。…ジェシーの国の戦況が変わったらしい。ジェシーは強制送還され、軍隊に入隊する」)

北斗「軍隊?何だよそれ!納得できねえよ!!」

佐久間「そうだよ、まだ俺たちとここにいろよ!!」

ジェシー「みんな、ありがとう…でも、仕方のないことなんだ。俺の国には徴兵があって、これは俺の義務。だから俺は、行かなきゃいけない」

「でも!!」

ジェシー「良いな、みんなは平和な国に生まれて。できれば外に出て、みんなと一緒に音楽やりたかったな…」

深澤「何で一生の別れみたいなこと言ってんだよ!」

「そうだよ!また一緒に音楽やるんだろ?」

ジェシー行くなよ!!!」

京本「岩本!お前は良いのか?昔からの友達なんだろ?!」

岩本「俺の知ったことか」

京本「二人の約束はどうするんだ?」

岩本「約束なんて知ったことか」

京本「ジェシーはまだロザリオを大切に持ってる!その意味が分かるだろ?!」

岩本「知らねえって言ってんだろ!!」

 


北斗「また一緒に歌おうな」

慎太郎「ジェシー!俺お前のこと待ってるからな!」

ジェシーを引き留める声、ジェシーとの別れを惜しむ声が響くなか)

ジェシー「みんな、ありがとう…」

 


~君にこの歌を~

(みんな歌ってるのに、一人だけ歌わない。

でもどこか悲しそうな目で見送る岩本。) 

 


(…舞台はジェシーの入隊場面へ)

ジェシー「This is the first day, today. My name is Jesse.」

(「今日からお前は軍隊の一員となる。国に忠誠を誓い、国のために命を捧げてもらう」)

ジェシー「Yes,sir!」

(「お前の命はお前だけのものではない。そのことを忘れるな」)

ジェシー「Yes,sir!」

 


ジェシー「Sir! Yes,sir!」

 


~行進~

 


(兵士となった12人が舞台上へ)

阿部「整列!」

 


(銃を持って、光の演出も加えながら12人が体形を変え行進。最後は煙に包まれ、幕が降りていく。)

 


(「戦場に送られたジェシーは、どうなってしまうのだろうか…」)

 


(最後に見える岩本の表情がすごく攻撃的でかっこいい…)

 

 

 

【第二幕】

 


★第7景① 夢

 


(「歌の力を信じる少年、守れなかった約束。離れ離れの友、仲間たちと過ごした日々。そして今、少年たちのもう1つの物語が始まろうとしている…」)

 


~Pray~

ジェシー「Hey,what's your name?」

マリウス「Hey! I'm Marius.And you?」

ジェシー「I'm Jesse.Nice to meet you.」

 

 

 

★第7景② 出会い

 


マリウス「Are you a new face soldier?」

ジェシー「Oh,yes. How long are you?」

マリウス「I come to here, it is one and a half years. 」

ジェシー「Wow, that's too young!」

マリウス「若いからこんなところに飛ばされたんだよ。若い俺らは所詮、大人たちの消耗品。お偉いさんたちは安全な後方部隊でただ司令を出しているだけさ」

ジェシー「俺は…本当はこんなところには来たくなかった…君はなぜここに?」

マリウス「俺は、自動車を盗んでつかまっちゃった。刑務所に入るか、戦場に来るかって聞かれて迷わず戦場を選んだよ。前科者になるなんてまっぴらだからね。君は?どこから来たんだい?」

ジェシー「俺は、塀の中にいたんだ。そこには、たくさんの仲間がいた…テレビ番組を作りたいと願うやつら。あの二人は、ダンサーになれたのかな?…仲良し兄弟は今、どうしてるかな。樹と高地、うまくやってるかな。…それと、俺のことを慕ってくれた新入り。」

京本「ジェシー、元気でやってるかな」

ジェシー「それで仲違いしたままの、俺の親友」

岩本「もう、お前に会うことはないんだな」

マリウス「へえ、…お前の友達、会ってみたいよ」

 

 

 

★第7景③ SHOW

 


~君の瞳に恋してる~

ジェシーがマリウスに仲間たちのことを紹介している時に、みんな舞台上に集まり紹介された人たちにスポットライトが当たる。曲が始まるとジェシー・マリウスが歌い岩本、京本以外がダンス。阿部くんソロでタップ!宮舘がキャップ口にくわえてアクロするのがとても好き) 

 


(テレビ局に就職した阿部渡辺佐久間の3人の物語へ。舞台はスタジオ、Hi Hi Jetの歌収録シーンから始まる。曲の途中からリポーター阿部、AD渡辺、カメラマン佐久間が登場。

渡辺はHi Hi Jetさんと書かれたカンペ持ってる(笑))

 


阿部「ありがとうございましたー!あ、今流れているこの曲は、ジャニーズの大先輩であるあおい輝彦さんのHi-Hi-Hiという曲です。Hi Hi Jetの皆さんは、この曲の精神を受け継いでるんだよね!」

瑞希くん「はい、そうなんです!僕たちもジャニーズの先輩方に負けないように、一生懸命頑張ります!(両手ガッツポーズ)」

阿部「頑張ってください!(真似して両手ガッツポーズ)今日のパフォーマンスはどうだったかな~?はしもっちゃん!」

涼くん「はい!とっても楽しかったです!それでは僕たち次の仕事があるので、これで失礼します。ありがとうございました!」

阿部「そうだね、そろそろ帝国劇場でDREAM BOYSの第2幕が始まる時間だ!それではエンディングはこちらです!ありがとうございました!」

渡辺「はいカットー!ありがとうございました!」

 


(舞台階段上、下手側に京本。)

佐久間「おー!京本!!」

京本「みんな、久しぶり!」

阿部「本当に久々だな、刑務所出て以来か!どうしたんだ、急に!」

京本「岩本を、探してるんだ」

渡辺「岩本か。あいつ今は誰とも連絡取ってないからな…(無線が鳴る)はい、分かりました…阿部、プロデューサーからだ。かなりお冠だ」

佐久間「(京本に)ちょっと待っててな、」

阿部「はい阿部です。はい、……はい。すみませんでした」

渡辺「なんだって?」

阿部「できないなら…辞めろって」

渡辺「ったくあいつなんなんだよ!俺たちが前科者だからってなめてんだよ。前からムカつくんだよな、あいつ」

佐久間「あーー、阿部!そんな落ち込むなって!」

渡辺「そうだよあいつの言うことなんて聞き流しておけば良いんだって」

佐久間「そうそう、無我の境地に立ってさ、すーっと怒りをセーブすればいいんだよ!」

渡辺「はぁ?意味わかんねーよ。飯でも行くか、たまには気分転換も必要だろ」

佐久間「いいな!今日は京本もいるしさ、」

阿部「俺は行かない。お前らだけで行けよ」

佐久間「そんなこと言わないでさ、一緒に行こうぜ」

阿部「あのさあ!…もうこんなテレビ局辞めようぜ。こんなところにいたって俺たちの才能活かしきれねーよ。もっと大きいところ入って、でかい番組作ってさ。こう…テレビ業界に風穴開けるような、そんなすげー企画考えたりしてさ!それだよ!」

 


~茜空~

果てなく広がる海の向こうに

二人の記憶を重ねたりして

静かに囁く波の声が

君をあどけない微笑みに変える

 


渡辺「別にいいんじゃね、辞めたって。でも辞めるならお前一人で辞めろよ」

佐久間「渡辺!」

渡辺「だってそうだろ。お前にこのチームを引っ張ってもらってここまで来れたことは本当に感謝してる。でもムカつくこと言われましたじゃあ辞めようって簡単に辞められるほど俺たちもう子供じゃねーんだよ。でかい口ばっか叩きやがって。教えてやろうか?お前が陰でなんて呼ばれてるか」

佐久間「おい渡辺!もうやめろって」

渡辺「佐久間、お前も言いたいことあんだろ?」

佐久間「俺のことは良いんだって!」

渡辺「良くねーよ!!阿部、教えてやるよ。こいつはな、歯食いしばって必死になって握り拳握りしめて我慢して、『阿部には才能があるから使ってやってくれ』って床に頭つけてまでお願いしてんだ」

佐久間「本当に俺のことは良いんだって!ほら、俺謝り慣れてるからさ、こうぺこぺこーって…」

阿部「俺がいつお前に俺のために頭下げてくれって言ったんだよ?俺がそんなことされて嬉しいとでも思ったのかよ!!!」

渡辺「なんだとてめえ!もう一回言ってみろ!」

阿部「お前らに俺の気持ちがわかるのかよ?!刑務所出て必死で勉強して誰もが認める良い大学入って。やっとの思いでここに入ったんだぞ!俺だけならどこだって通用すんだよ!……でも、どうしてもあの約束が忘れられなかったんだ」

佐久間「あの約束?」

阿部「『アニメのアイドルが、歌いながらニュースを伝える番組』。今思えば子供っぽいかもしれないけどさ、俺嬉しかったんだ。馬鹿な夢でも、同じ方向見れる仲間がいるんだって思うと…でも、俺が二人の足引っ張ってるって言うんなら、俺だけ辞めるよ。すまなかった…」

 


~うつむき始めた太陽 切なさ滲む横顔

君が思い出になる前に この胸に焼き付けて~

 


(阿部の言葉を聞いた瞬間に表情が変わり、殴りかかる渡辺。そして反撃する阿部。それを止めようとする佐久間は振り払われ、ぶつかり合う二人。) 

 


佐久間「久々にこんな喧嘩したな!俺は阿部みたいに頭良くないから難しいことは分かんないけどさ、自分が頭下げたいって思ったから下げただけだから。だからさ、辞めるなんてそんな悲しいこと言うなよ」

渡辺「阿部は一人で抱え込むからなー。何でも言えよ、俺たちに」

阿部「俺は…俺は、ジェシーの行方を知りたいんだ!ジェシーはまだ戦場にいるはずなんだ。夢も希望もない戦場で、必死に戦っているはずなんだ…俺はそんなジェシーのことを、全世界に伝えたい。やっぱ無理かな?」

渡辺「~さよならとお別れのあいさつをいうかわり~」

佐久間「~君にこーのー歌…(渡辺「俺が気持ちよく歌ってんだから入ってくんじゃねえよ」)~」

阿部「~僕はおくりーたーいー(渡辺「お前のせいでこんなことになってんだよ、何でお前が一番気持ちよく歌ってんだ…」)~」

京本「~君の苦しみー知りながらー~」

佐久間「いやいやお前も歌うんかい!!」

4人「ふふっ、」

渡辺「飯でも行くか、」

 


~茜色の空が今 僕ら包み込むように

いつまでも煌めきながら 二人の距離縮めてくれる

君と選んだ道なら いつまでも手を繋いで

海の先に映る未来 僕が守って行くから~

 


(渡辺が頭を下げて、阿部が少し驚いたように、謝ることなんてないよとでも言うように首を振りながら頭を上げるよう促す。顔を上げた渡辺に手を差し伸べる阿部。二人で握手を交わして、照れ臭そうな、とても明るくて素敵な表情の二人。歌う京本を優しそうな顔で見つめる佐久間は二人に置いていかれ、急いで追いかけて行く)

 


京本「岩本…お前はどこで何してるんだよ…」

 

 

 

★第7景③ オーディション

 


(セット真ん中の階段から特効服を着て登場する宮舘。カツン、カツンと階段をゆっくり降りてくる)

宮舘「なんだお前ら。言っとくけどな…俺は喧嘩はやめたんだよ!!!」

(鳥さん鳴く)

宮舘「鳥さん、これは喧嘩じゃないからね。…それでもどうしてもやるって言うんなら…俺が相手にしてやるよ!!(慎太郎の自転車の音)ん?この音は…」

慎太郎「おーーーい助けに来たぞ~~~!」

宮舘「慎太郎!」

慎太郎「何絡まれちゃってんの~!あ!それよりさ、このチャリかっこいいでしょ~?俺が作ったの~!ビバホームで!」

宮舘「いかしてるな!」

(鳥さん鳴く)

慎太郎「え?鳥さんはニトリ派だって?うまいね~!(鳥さん二羽いるから)まあ良いや、ちょっとチャリとめてくるわ!鍵の番号は0000~!」

宮舘「ずいぶん単純なんですね!」

森本「(ラジカセ持って現れるもこの時もアドリブあり)」

慎太郎「良いかお前ら!俺たちは暴走族もやめたし喧嘩もやめたんだよ!耳の穴かっぽじってよーく聞け、俺たちはなあ!」

慎太郎宮舘「「ダンスで世界と喧嘩するって決めたんだよ!!」」

 


~ダンス~

宮舘「慎太郎、そんな躍りじゃ世界に通用しないだろ!」

慎太郎「あ?あんまり調子のってんじゃねーぞ!」

(宮舘が一発殴ると、やり返す慎太郎)

宮舘「もう一度人生やり直すんじゃなかったのかよ!?」

 


宮舘「ダンスの武者修行でも行くか!」

慎太郎「ああ、俺のチャリで世界を回ろうぜ!」

(鳥さん鳴く)

慎太郎「え?自転車で世界は回れないって?俺のチャリならできる!あれ、鍵の番号なんだったっけ?」

(後半日程からは喋る鳥さん「0000~」)

慎太郎「しゃべった!!!」

宮舘「知らない人と友達になっちゃいけません!」

慎太郎「ママ…!」

宮舘「行くわよ!」

(全体を通してアドリブあり)

 

 

 

★第8景 逃走

 


(鳥さんを持ったまま現れる深澤。鳥さんを置き、仲良し兄弟の物語へ。)

北斗「(息切れしながら逃げる北斗)」

深澤「北斗、こっちだ!」

北斗「兄ちゃん、」

深澤「ここなら大丈夫だ」

北斗「くっそ!!何で俺たちが店の金盗んだって疑われなくちゃなんないんだよ!!」

深澤「だからってそいつを殴ることないだろう!」

北斗「兄ちゃんは悔しくないのかよ!!俺たちまじめに頑張ってたじゃねーかよ!…やっぱり俺たちのこと信用してくれるやつなんてどこにもいないんだよ!俺たちみたいなクズはどこいったってクズなんだよ!!!」

深澤「北斗、」

北斗「だってそうだろ!俺たちなんかが夢見たって仕方ないんだよ!……見ろよ!!!何やったって上手くいかないじゃないか…」

深澤「…夢を叶えた仲間だっている。こんなどうしようもない俺たちだって、二人で力を合わせて頑張ってきたじゃないか」

 


~約束の歌~meet you again~

強い風がまた吹き付けたから 僕ら少し大人になったみたい

涙で今日を見送るより 僕はお前のためここにいる

 


深澤「なあ北斗、何もできない兄ちゃんでごめんな」

北斗「俺、兄ちゃんと兄弟で良かったって思ってる!なあ兄ちゃん、俺たちずっと仲良し兄弟だよね?」

深澤「ああ…ずっと一緒だ」

 


~泣けない程の悲しみが お前を襲ったとしても

僕がお前の 悲しみの 置場所になるよ約束さ

まばたきの途中でまた世界は変わる

さよならは終わりではなく 再会の合言葉~

 


北斗「なあ兄ちゃん、もう死のうか…」

深澤「死んだら楽になれるのかな…?」

北斗「だってこのまま生きてたってしょうがないだろ…」

 


(~さよならとお別れのあいさつを言うかわり君にこの歌を 僕はおくりたい~ラジカセから君にこの歌をが聞こえてくると、聞き入る二人。

阿部「皆さんこんにちは。皆さんはこの歌を知っていますか?これは、僕たちの仲間が作った曲です。争ってばかりいた僕たちの心を繋いでくれた、大切な曲です。…僕は、あの頃の仲間に伝えたい。この曲を世界に広めないか?ジェシーは今も、戦場で一人戦っているはずなんだ…もう一度みんなで、力を合わようじゃないか」)

 


深澤「あいつの曲だ」

北斗「俺たちの、仲間の曲だ…(ラジカセをぎゅっと抱き締める)」

深澤「生きなきゃダメだな。どんな情けない生き方でも良いから…」

(北斗が握りしめていたナイフをそっと取り上げ、頷く二人。サイレンの音が聞こえると、二人はゆっくりと両手を挙げる。迫り来るサイレンの音)

 

 

 

★第9景 BAR

 


(続いて樹と高地のバーへと場面が移る。最初は上手高地、下手樹。二人で一礼し、高地のパフォーマンスから始まる)

樹「OK、次は俺の番だ!」

(樹のパフォーマンスが終わると、今度は二人で。最後はシェーカーで乾杯して終了)

 


高地「店長ーーーー!もう半年もお客さんが来ません!!」

樹「確かに…この店を開けてから半年。お客さん一人も来てねーな…」

高地「上手くなるのはこれ(パフォーマンス)だけ…」

樹「パフォーマンスには自信あるのにな…でもこれは接客業!万が一お客さんが来たときのために練習しておかねーと!!おい高地、俺お客さんやるから店員やれ!」

高地「はい!」

樹「カランカラーン(ドアを開ける)」

高地「カランカラーン!(逆方向からドアを開ける)」

樹「お前ここどこだよ!謎の空間作んな!!もう1回やり直せ!」

高地「分かりました!」

樹「カランカラーン!」

高地「いらっしゃいませ、何にしますか?」

樹「オススメありますか?」

高地「分かりました、今作りますね」

樹「お、かっこいいなー!やっぱバーテンダーはこれだな、」

高地「お客さん、出してもらって良いですか?」

樹「あ、はいはい。…うまい!これ何のカクテルですか?」

高地「お客さ~ん、グラスに入れてもらわないと困りますよ~」

樹「これ何だったんだよ!うわ、おしぼりじゃん腕までびちょびちょだよ最悪…!」

高地「お客さん、これ隣のお客さんからです」

樹「ほんとにこんなことあるんだ!で、これ何ですか?」

高地「伝票です!」

樹「何で俺が隣のやつの分まで払わなきゃいけないんだよ!あいつ大丈夫かよ…」

高地「お客さん、払ってもらっても良いですか?」

樹「まあ良いや面倒なことに巻き込まれたくないから払うわ!いくら?」

高地「800円です」

樹「はい、800円」

高地「800円お預かりしたので、800円のお返しです!」

樹「プラマイゼロ!!!…じゃなくて!もういいよ今度は俺が店員やるからお前お客さんやれ!はぁー気持ち入れ換えないとな(ほっぺペチペチ)」

高地「あの~、化粧水(乳液、ヒアルロン酸、泥パック)つけてるところすみません」

樹「つけてねえよ!気合い入れてんの!!しっかりしろよ!」

高地「わかりましたー!」

樹「ったく何で俺が舞台の真ん中で化粧水つけなきゃいけないんだよ」 

高地「カランカラーン、すみませ~ん(超小声)」

樹「お前寝起きドッキリじゃねーんだから!もう本当にちゃんとやれよ!!」

高地「はい!!…カランカラーン!!!(大声)」

樹「いきなり声でかくなりすぎだろ、極端だな!」

高地「こんにちはー!ガラガラガラガシャン」

樹「お前何でシャッター閉めてんだよ!それじゃお客さん入って来られないだろ!」

高地「え!シャッター閉まってるとお客さん入れないんですか?!いつも通りじゃないですか!!」

樹「普通に考えたらわかんだろ!!!原因それだろ絶対!おいやべーぞ、これじゃ本当にお客さん来ねーぞ…」

 


(カランカラーン…)

樹「おい、お客さんだ!」

樹高地「「いらっしゃいませ!」」

樹「…って、なんだ京本か」

京本「久しぶり」

高地「どうしたんだよ?」

(高地樹のアドリブコントに応じて、京本の登場シーンもアドリブあり)

 


京本「実は…岩本を探してるんだ」

樹「岩本?あれ以来一度も会ってねーな。どうしたんだよ?」 

京本「ジェシーのためにどうしても岩本を見つけたいんだ。何でも良い、何か知らないか?」

樹「落ち着けって!俺たちだってやっとの思いでこの店出してるんだよ。悪いけどお前には付き合えない」

京本「…そっか、」 

樹「…まあ一杯飲んでけよ。味には自信あんだ!ほら、」

京本「…空っぽだけど…」

樹「おい、変なとこつっこむな。このグラスには俺と高地のオススメのカクテルがなみなみ入ってる!分かったな?」

 


樹「この店、良い店だろ?」

京本「ああ」

樹「今日こそは俺たちの話聞いていけよ?お前、俺たちが話し始めるとすーぐ飯食いに行ってたからな!」

京本「ごめん…本当に興味がないんだ…」

樹「まあまあそう言うなって!俺たちにはな、大切な人がいたんだ。大切な人って言ってもさ、こーんな太ったおばさん」

京本「…(話してる最中に立ち去る)」

全力で追いかけ捕まえる高地「…聞こう?」

京本「…手汗が…」

高地「…聞こう?」

樹「よーし、切り替えるぞー!…こーんな太ったおばさん。俺たちは施設で育ったんだけどさ、そこの園長さん」

高地「身寄りのない俺たちを、引き取って育ててくれた」

 


樹「高地お待たせ!」

高地「おう!なんかこういうの照れ臭いよな、改まってお礼とか、感謝とか」

樹「今日は園長さんの誕生日だからな!ここに来るのも久々だなー」

高地「でも、園長さん喜んでくれるかな?こんな小さい花束しか用意できなかったけど…」

樹「大丈夫だろ!園長さん花好きだし、気持ちが大事だからな!よし、行くか!園長さーん!………園長さん?おい高地!救急車!」

高地「過労で倒れたみたいだった。俺たちは知らなかったけど、自分の病を押してまで俺たちのことを育ててくれたんだ」

樹「それから手術、入院…莫大な費用がかかった」

 


樹「これでも俺たち結構な額貯めたんだぜ?寝る間も惜しんで働いて」

高地「…でも、少し足りなかった」

京本「それで、罪を…?」

樹「ああ。でも金が集まる頃には、園長さんぽっくり逝っちまった」

高地「その時に貯めた金で、今の店を開いたんだ」

京本「園長さん、きっと喜んでるよ」

樹「そうだと良いけどな、」

京本「じゃあ俺は行くよ。どうしても、今日中に岩本を探したいからさ」

樹「よーーし高地!今日はもう店閉めるか!」

高地「おう、」

京本「樹!」

樹「昔つるんでた情報屋に当たってやるよ。何か情報が掴めるかもしれない。京本、早くしないと置いてくぞ!」

 


(嬉しそうに走り出そうとする京本の携帯が鳴る)

京本「はい、もしもし…慎太郎か!久しぶりだなー!!そっか、ダンスで世界回ってるんだ。……え?………ジェシーが?」

 

 

 

★第10景 再会

 


(一人ギターを弾く岩本のところに京本がやってくる)

岩本「京本、」

京本「やっと見つけた。高地と樹が力を貸してくれたんだ。まだ、音楽やってたんだ…」

岩本「(ギターをケースにしまいながら)何しに来た?」

京本「もう一度、ジェシーと会ってやってくれないか?」

岩本「またその話か…お前には関係ないだろ。あいつの話は出すな」

京本「今のジェシーにはお前の力が必要なんだ!深澤たちがジェシーと出会った。今、ジェシーは…」

 


(場面は戦場へ。敵の偵察兵に見つかったマリウスとジェシー

マリウス「まずい、偵察兵だ!くっそー、あのガキ!(銃口を敵の偵察兵に向ける)」

ジェシー「おいマリウス何やってんだよ。あの子はまだ子どもじゃないか!俺たちより若いぞ!」

マリウス「お前も撃てよ!!敵も俺たちと同じで人員が少ない!子どもだろうと関係なく戦場に送り込むんだ!あの子は味方のところに帰ったら大人に報告するだろう…そうしたら俺たちは全滅するぞ!」

ジェシー「俺には無理だ!あんな少年撃てるわけないだろう!」

マリウス「じゃあ聞くが!!平気で人を撃てるやつなんているか?!恨むんならこんな狂った状況を恨むんだ!」 

ジェシー「でも、ダメだ」

 


~裸の少年~

 


(敵の増員を知らせる警報が鳴り響く)

マリウス「敵の増員だ!…お前のせいだぞ!お前があの子どもを逃したから!!」

ジェシー「この数は無理だ!おいマリウス、ここから離れよう」

マリウス「(ジェシーの手を払い、)戦場では優しいやつから死んでいく。俺は今後悔しているよ!!何で刑務所より戦場を選んだのかな…ってな。戦場で愛を持っていると死ぬぞ!Shoot down!!」

 


(…銃を構えたマリウスに、銃弾が当たり倒れこむ)

 


ジェシー「マリウス?!!おい、マリウス!!しっかりしろ!!!」

マリウス「俺、帰りたいよ…何で自動車を盗んだだけで、こんな目に合わなきゃいけないんだ…お前の友達、会いたかったよ…」

ジェシー「マリウス!!!おい、嘘だろ?マリウス…!」

(マリウスを安全なところに運ぶジェシー。マリウスよ胸についていた勲章を取り、握りしめる)

ジェシー「…俺の、せいで…」

(自分のせいでマリウスが命を落とし、それをきっかけとして戦場で狂ったように銃を撃つジェシー

 


岩本「本当なんだな」

京本「ああ。ダンスで世界各地を回っているダンサーの慎太郎たちが情報を得た。深澤たちが、刑務所に入るより戦場の補給部隊を志願したと」

 


(戦場でジェシーを見つけた、深澤と北斗の場面へ)

北斗「ジェシーじゃないか!」

(銃を構えるジェシーを押さえつける二人)

深澤「ジェシー何してるんだよ!」

ジェシー「お前たち、どうしてここに…俺は仕事をしているだけだ。見ろよこれ…敵をたくさん倒すともらえるんだ」

北斗「どうしたんだよジェシー!」

ジェシー「ここはお前らが来るところじゃない!戦いの邪魔だ!帰れ!」

(兄弟を振り払い、再び銃を構えるジェシー。マリウスの所に戻ると、「ごめんな」とでも言うように、悲しそうにマリウスを抱きしめる。)

 


岩本「嘘だろ…そんなジェシーが…」

京本「あいつはもうあいつじゃない。戦争で心を失ってしまったんだ…あんなに優しかったジェシーが…だから岩本、お前の力が必要なんだ」

岩本「何やってんだよあいつは…」

京本「死んだ方がマシだ、そんな目だったらしい」

岩本「いつもそうだよ!あいつは俺がいないと何もできねーのかよ!」

京本「ジェシーを救えるのはお前しかいないんだ!親友である岩本の言葉しか届かない!このままじゃジェシーは…」

岩本「でも、俺に何ができる?今からどうしろって言うんだ」

京本「スタジオに来てくれ!」

岩本「スタジオ?」

京本「テレビ局のみんなが、中継を準備してくれてるんだ。そこでジェシーと話せる」

岩本「分かった」 

 

 

 

★第11景 戦場との中継

 


(戦場には阿部と佐久間、スタジオには渡辺)

渡辺「佐久間、準備できたか?」

佐久間「おう!こっちは大丈夫だ!」

渡辺「何があっても絶対に撮り続けろよ」

佐久間「お前こそ、絶対に中継切るんじゃねえぞ!」

 


(スタジオに高地と樹、続いて宮舘と慎太郎がやってくる)

慎太郎「あの頃のメンバーが揃ったな」

宮舘「ああ、俺たちはショーを抜け出してまでここに来たんだ!」

慎太郎「でも本当にジェシーと中継繋がんのかよ?」

高地「繋がったとしても岩本が来ないと意味ないだろ!」

渡辺「もうすぐ中継の時間だ」

樹「大丈夫だ、岩本は京本が必ず連れてくる!」

 


(銃を構えるジェシーを見つけた戦場の仲間たち)

「「「ジェシー!」」」

ジェシー「お前たち…」

渡辺「中継を始めろ!」

阿部「皆さんこんにちは。本日はこの戦場より特別生中継を行います。皆さんはご存知でしょうか?戦場で敵味方関係なく歌われている歌があると。その歌は、僕たちの仲間が作った曲です」

ジェシー「歌なんか知らない!戦いの邪魔だ!!帰れ!!!」

ジェシーが阿部を突き飛ばす。それと同時に、敵の爆撃も始まる。)

北斗「伏せろ!!!」

深澤「爆撃が始まったぞ!」

(深澤と北斗の兄弟が阿部佐久間の元に駆け寄るも、尚も撮り続ける佐久間)

阿部「佐久間無事か?!」

佐久間「ああ、俺は大丈夫だ」

北斗「ここは戦場だぞ!」

深澤「身を低くして、銃撃に備えるんだ」

(もう一度近くで爆発音が鳴り響き、吹き飛ばされる戦場組)

佐久間「でも、俺たちは何があってもこの現実を伝えないといけないんだ!」

 


(…スタジオに駆け込んでくる京本と岩本。)

「「「岩本!!!」」」

京本「音声を繋いでくれ!」

渡辺「佐久間、回線生きてるか?」

佐久間「ああ、大丈夫だ!」

京本「ここの声を、ジェシーに伝えたいんだ」

佐久間「わかった、やってみる!」

 


京本「岩本、分かってるな?ジェシーの心を取り戻せるのはお前しかいないんだ」

岩本「ああ(頷く)。…ジェシー俺だ」

ジェシー「岩本…?」

岩本「お前、何やってんだよ。何銃なんか持ってんだよ!そんなことするようなやつじゃなかっただろ!!」

ジェシー「昔の俺じゃない!」

岩本「俺と一緒に音楽やるんじゃなかったのか?平和の歌を一緒に歌うんじゃなかったのかよ?」

ジェシー「歌?そんなもんとっくに忘れたよ!」

岩本「忘れてるわけないだろ!!その胸についてるロザリオ…俺たちの夢の証だろう?!」

(ロザリオを一度握りしめたあと、再び敵に銃口を向けるジェシー

岩本「(それを見て一度うつむいてから、ここで初めて 君にこの歌をを歌い出す)~さよならとお別れのあいさつを言うかわり 君にこの歌を僕はおくりたい~」

京本「~君の苦しみ知りながら 君の悲しみ知りながら 何もできない僕なのね~」

 


(続けてみんなも歌い出す。歌の間、ロザリオを握りしめながらうつむくジェシー

 


ジェシー「(昔の目に戻り)岩本、みんな…」

岩本「今からでも遅くない。逃げ出してでも良いから、こっちに戻ってこい」

ジェシー「でも、みんなと合わす顔がない。俺は戦場で人を殺めた…そんな俺が、今更…」

岩本「今更ってなんだよ!まだ、夢を叶えてないだろう、約束を果たしてないだろう…」

京本「ジェシー、俺は二人の音楽を、世界に届けたいんだ」

ジェシー「京本…ありがとう」

 


(…心を取り戻したジェシーに銃撃が当たる。

ジェシーの元に駆け寄る戦場組。スタジオからも必死に呼び掛ける仲間たち)

 


岩本「おい、ジェシー!!!」

京本「ジェシー立て!こんなバカなことで人生が終わるなんてだめだ!!」

 


(阿部北斗深澤に支えられながら、必死に想いを伝える)

ジェシー「何もない毎日が幸せだった。みんなと過ごした時間は、俺の…宝物…(ロザリオを外して、北斗に託す)これ、岩本に…。俺たちの、約束の証。俺たちの、夢の…」

岩本「いつも勝手なんだよ…お前は、いつも…」

 


~あいつの分も生きる~

 

 

 

★第12景 エピローグ

 


~君にこの歌を(BGM)~

 


ジェシーから託されたロザリオを、岩本に渡す北斗)

岩本「俺が…俺が届けてやるよ、世界中に。ジェシーが俺のために残したこの曲を。俺が、世界に伝えてやる。なあ、みんなも手伝ってくれないか?頼む…」

宮舘「ああ…やろうぜみんな!」

「「「ああ!」」」

慎太郎「この歌を世界に届けよう」

渡辺「テレビだけじゃなくてネットやラジオ」

阿部「あらゆるメディアを使って全世界に伝えるんだ!」

京本「この歌は、国を越えて、海を越えて。みんなの心に響くはずだ…」

岩本「(ロザリオをぎゅっと両手で大切に握りしめながら、)ジェシー…」

 


~君にこの歌を~

ジェシーが歌い出すと、振り返る岩本。マリウスも含めて13人全員での君にこの歌を。)

 


(歌が終わった後に、京本と握手をして、マイクを通さずすごく優しい表情で「ありがとう」という岩本。)

 


岩本「いつの時代も、人は戦いに明け暮れる。人間の長い歴史の中で、戦争がなかった日など一度もない。今日もどこかで、戦争は起こっている。戦争と無縁な人生、それが当たり前だと思っているのは、この国に住んでる人だけだ!このありふれた毎日こそが幸せなんだ…俺たちはこの平和に、気付かなきゃいけない。そうだよな、ジェシー…」

ジェシー「Yes,that's right!」

 

 

 

~エンドロール~BGM:君にこの歌を~

 


SixTONES

 


ジェシー

京本大我

松村北斗

森本慎太郎

田中 樹

高地優吾

 

 

 

Snow Man

 


岩本 照

深澤辰哉

渡辺翔

宮舘涼太

佐久間大介

阿部亮平

 

 

 

Hi Hi Jet

 


橋本 涼

井上瑞稀

高橋優斗

猪狩蒼弥

 

 

 

特別出演

マリウス葉

 

 

 

声の出演

あおい輝彦

 

 

 

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少年たち 危機一髪!

2016年9月4日-28日

In NISSAY theatre.…