少年たち そして、それから…
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【Act ONE】
★1. OPENING
(「皆さんこんにちは、あおい輝彦です。僕も半世紀前、初代ジャニーズの一員として、青春の日々を過ごすことができました。今回ご覧いただく少年たちという舞台は、ジャニーズの伝統の作品です。いつの時代も、若者たちの喜びや悲しみは、人々の心を動かします。この作品で描かれる、愛や本当の平和といったテーマに、現代の若者たちがどう挑戦していくのか、僕もとても楽しみにしています。ジャニーズの歴史が築き上げてきたこの舞台を、皆さんどうぞごゆっくりお楽しみください」)
(「…夢を追い、人を愛し続ける少年たち。しかし、塀の中に閉じ込められた少年たちは、自由を奪われ、争うことでしか、その怒りを鎮めることができない」)
~時の彼方~
(岩本を筆頭に、Snow Man、SixTONESが登場。お互いを殴り合い、対立する二つのグループ。)
渡辺「おいおい、何かって言うと文句つけやがってよー」
髙地「他にやることあったらこんなことしねーよ!」
阿部「やんのか?コラ!!」
佐久間「こんなことやって看守に見つかったら損するだけだぞ!」
慎太郎「看守が怖くてこんなところにいられっかよ!」
宮舘「今日こそは決着つけなきゃなんねーな!」
深澤「っしゃコラ!!」
北斗「何だよ文句あったら言え!!」
深澤「てめーだけはぜってー許さねえからな!!」
慎太郎「てめーらだけで楽しんでんじゃねえぞ!」
「「「勝負だ!!!」」」
~Fight~
~The Night In New York~
(歌は岩本とジェシー2人のみ。他10人は最前列前へ)
宮舘「ったく!懲りねー奴だなあ!!」
慎太郎「今日こそは決着つけてやるよ!!!」
★2. 刑務所の少年たち
(笛の音が鳴り響く。看守長「お前たち!何をやってるんだ!喧嘩をした奴は独房に送る。それがここの規則だ!」)
ジェシー「This is not a fight, we're just training!」
深澤「ここで喧嘩がダメなことくらい、このバカでも知ってますから!」
北斗「(無言で胸ぐらを掴んで反発する)」
高地「そんなに怒ってたら血圧あがりますよ~?」
樹「血圧上がって体調崩したら、商売も上がったり!」
高地「うまいねぇ~!」
(看守長「黙れ!!!…とにかく、今度騒ぎを起こしたら出所はお預けだぞ!!」)
「「「上等じゃねーか!!!」」」
~俺たちは上等~
「「「ふん!!!」」」
(ステージの真ん中で佇む岩本とジェシー。岩本は表情がほとんどなく、そんな岩本を悲しそうに見つめるジェシー)
★3.それぞれの事情
京本「雲に抱かれて、太陽は沈んでいく。その後の暗闇の中で抱かれることもなく。僕はただ1人、虚しく少年期を過ごす。明日の朝日を求める、僕とここで出逢った少年たちの物語だ」
ジェシー「Do you want to try this?」
京本「?」
ジェシー「Do you want to try this? Let´s play…swing!」
京本「…!ブランコ!」
京本「乗っても、良いんですか?」
ジェシー「Of course! Let’s go」
(京本がブランコに乗り、押してあげるジェシー)
京本「わぁ!」(ブランコから落ちてしまう京本)
ジェシー「You don’t have to be scared.」
京本「押してもらうの、初めてだったから…」
ジェシー「Really?!…My name is Jesse.」
京本「僕は京本!」
ジェシー「優しそうなお前が、何故捕まった…?」
~僕に聞くのかい~
(間奏)
樹「あ!お前新入りか?」
京本「はい…!あの、京本って言います…」
樹「俺は樹。おいお前って呼んで!」
京本「おいお前、!」
慎太郎「俺は慎太郎。おいてめー!って呼んで!」
京本「おいてめー…!」
北斗「俺は北斗。ねぇ、ダーリン♡って呼んで!」
京本「ねぇダーリン♡」
髙地「俺は髙地。俺様髙地様って呼んで!」
京本「………」
慎太郎「あ~~~お腹空いてきちゃったな~~!お腹と背中がくっつきそうだな~~~!うっそー!!!……ライッ!!」
樹「まぁいいや!あいつ意味わかんないから放っておいていこうぜ~!」
髙地「行くぞ!京本!」
※間奏からここまでは公演ごとにアドリブ
(日記を持った大昇が現れ、仲間たちと一緒に走り出そうとした京本が足を止める)
~時計を止めて(京本・大昇)~
大昇「やぁ、君新入りかい?」
京本「京本って言います」
大昇「俺は大昇。よろしく」
京本「お願いします!あの…その囚人服、レスキュー隊みたいでかっこいいですね!」
大昇「♪I don't wanna cry alone~I don't wanna cry alone~バァン!!……これ、君にあげるよ」
京本「ちょっともう1回やってもらってもいいですか?」
大昇「♪I don't wanna cry alone~I don't wanna cry alone~バァン!!……これ、君にあげるよ」
京本「これは…?」
大昇「日記だよ。ここでの出来事、仲間のこと。書いていると安心するんだ」
京本「日記かぁ…書いたことないや…」
大昇「俺は外の世界じゃ、身寄りも仲間もいなかった」
京本「僕も同じです」
大昇「でも、ここで仲間が出来た。俺はここが好きだった」
京本「好きだった?」
大昇「(頷く)…書いてみたら?日記。きっと何か変わると思うよ」
(京本が日記を見つめている間に、いなくなる大昇)
京本「あの!……?(不思議そうに大昇のいた場所を眺める京本)」
(看守長「閉ざされた闇、塀の中。お前たちはここを出ても、世の中の落伍者というレッテルが貼られる。なあ岩本、お前に夢や希望はないのか?」)
岩本「そんなもの、ここへ来る時に捨ててきた。(ドラムに向かって歩き出す)ある日、俺の大事にしていた絆が音を立てて切れたんだ。同じ夢を目指したあいつが俺を裏切った。…俺は地獄に突き落とされた」
(看守長「佐久間は何をやった?」)
佐久間「(ベース)俺だって同じだよ!!…誰も俺のことなんて分かってくれない、だから!分からせようとしたんだ!!…ナイフで人を刺した。そして俺はここに連れてこられた」
阿部「(ギター)人に理解されないのなんて当たり前なんだよ!!俺は頭が切れすぎた。周りがそれについて来れなかっただけだ」
深澤「あいつを守りたかっただけなのに…何をやってもうまくいかない。俺はそういう星の元に生まれちまったんだ…(キーボードに向かって歩いていく)」
(看守長「ここは、まともな奴が来るところじゃない」)
渡辺「まともってなんだ?胸にバッジをつけてるやつはまともか?一流の大学に入ったやつはまともなのか?」
宮舘「親になったやつはまともなのか?お前はまともなのかよ?」
渡辺「分かってねえな俺はまともだからここに来たそう思ってる」
(看守長「まともじゃないからこそ、ここにいるんだろう!渡辺、お前は何をやったんだ?」)
渡辺「俺は人を殺めた(手錠をかけられたように両手首を合わせ、床に崩れ落ちる渡辺)」
(看守長「(ため息)宮舘、お前は?」)
宮舘「怒りに任せて警察の野郎をぶん殴った!」
(看守長「岩本、お前は何をやった?」)
岩本「俺は…お前らには関係ねえ!!!」
~嗚呼思春期~
(イントロ)
岩本「心の中には嵐が吹き荒れている。
失った時間は取り戻せやしない。
俺の思い、分かってたまるか!!」
(間奏)
阿部「ここじゃあ風なんて吹かない。風でも吹いて、この嫌な気分も吹き飛ばしてくれりゃー良いんだけど」
深澤「ちょっとした間違いが、俺の暮らしを狂わせた。一度狂い出した歯車は、もう元には戻りはしない」
宮舘「塀の中に入って初めて味わった屈辱…力があれば一等賞取れんじゃねーのかよ!この拳の痛みはなんなんだ!!!」
佐久間「俺の思いを飛ばしてやるよ!どこまでも、いけるところまで。大空の彼方で、夢を掴んでやるよ!」
渡辺「俺たちの叫び、聞こえてんのか!!!」
~Don't Hold Back~
(イントロ)
渡辺「地を這ってもがいている俺たち…いつになったらここから出れんだよ!!」
宮舘「見えるのは、切り取られた小さな青空だけ。こんなもの…ぶち壊してやるよ!!」
岩本「ここじゃ叫ぼうが暴れようがどうにもなんねぇよ」
深澤「どうしてこんなことになっちまったんだよ!」
佐久間「おい、何だお前新入りか?」
京本「京本って言います…」
佐久間「俺は佐久間!」
深澤「深澤!」
阿部「阿部!」
宮舘「宮舘!」
渡辺「渡辺!」
5人「「「「「5人合わせて!A.B.C-Z!」」」」」
深澤「まあ、こういう時もあるんだ」
(※普段は「ごめんな、こんな俺らで…」)
京本「いや!楽しかったです!」
深澤「楽しかった?…お前、面白いな!」
京本「面白い…???」
★4.回想
京本「よっこい少年たち千穐楽っと!」
ジェシー「(台車で舞台袖から登場し、ステージの真ん中へ)1ヶ月間、ありがとうございました🙇」
(※よっこいしょ劇場は毎回アドリブ)
ジェシー「何してるの?」
京本「日記を書いてるんだ。ここで起きたことを、記しておきたくて」
ジェシー「そっか…」
京本「あのさ、僕って面白いかな?」
ジェシー「少しだけ…。でも何だろう、お前みたいな奴が何かを変えてくれるんだろうなぁ…」
京本「ジェシーと岩本は、何かあったの?」
ジェシー「岩本とはここに来る前の知り合いで、かつては同じ夢を目指していた」
岩本「おいジェシー!この曲聞いたか?」
ジェシー「うん、聞いた。俺たちもこんな曲、一緒に歌えると良いな」
岩本「そうだな」
ジェシー「将来は一緒に歌を歌おうって。でも、いつからかすれ違うようになった」
岩本「おい、ジェシー。何だよこれ?」
ジェシー「岩本、誤解だ!岩本…岩本待ってくれ!」
ジェシー「また笑い合える日が来ると良いな」
岩本「そんな日は来ねえよ。こんなボイラー室にお前と2人きりとはなぁ…」
ジェシー「岩本?」
岩本「同じ夢を見たいだと?お前だけは本当の仲間だと思ってた」
ジェシー「俺たちは仲間だ」
岩本「じゃあ何で1人でデモテープなんて持って行こうとしたんだよ!お前1人で成功しようとしてたんだろ?」
ジェシー「違う、誤解だ!俺はお前と一緒に…」
岩本「お前の裏切り、一生忘れねぇよ」
ジェシー「岩本!……何で分かってくれねえんだよ!!」
~Rival- Battle-~
(間奏)
ジェシー「2人の夢を叶えるために」
岩本「何が夢だ。お前1人で見てるだけだろ」
ジェシー「ここを出て俺とお前の夢を…」
岩本「そんなものとうに忘れちまったよ」
ジェシー「岩本!!!」
★5.告白
京本「そっか…そんなことがあったんだ」
ジェシー「また一緒に歌えると良いなぁ」
京本「ジェシーには、待ってる家族とかいるの?」
ジェシー「俺には弟がいて、ずっと施設で待ってるんだ。そろそろ運動会の季節か。弟も施設の仲間たちもかけっこが大好きでさ。今頃一等賞取るために、頑張ってるんだろうなぁ…」
渉「兄ちゃん、僕待ってるからね!早く帰ってきてね!」
(位置に着いて…よーいドン!)
「よっしゃ!俺1位~!」
「次は負けないぞ!」
京本「楽しみだね」
ジェシー「本当は応援しに行きたいんだけどさ。…あ!弟、俺の歌が好きだって言ってくれて…」
「ジェシー兄ちゃんに負けないように、僕たちも歌おう!」
~Lucky star(少年忍者)〜
京本「早く、弟さんに会えると良いね。…寂しい?」
ジェシー「あぁ、そりゃ寂しいよ」
京本「じゃあ、今は僕と一緒に歌おう」
ジェシー「お前が…?」
京本「実は僕、歌が大好きなんだ!」
~Beautiful Life~
★6.対立
(舞台後方からSnow Manが登場し、歌っていたSixTONESと向かい合う。Snow Manには緑色の、SixTONESにはオレンジ色の照明があたり、対立する2つのグループ)
京本「僕にも挨拶を交わす仲間ができた。なのにみんな、毎日喧嘩ばかりだ!僕に何か出来ることはないのか?!」
~闇を突き抜けて~
★7.バスケ
大昇「刑務所の妖精、岩﨑大昇でーす!年に1回の刑務所でのバスケ大会!バスケ見たいですか?!声出せますか?!」「ここではどんどん声出しちゃってくださいね!」「1階の人ー!声出せますか?!」「グランドサークルと2階の人ー!声出せますか?!」「みんなー!声出せますか?!」「みんな、ゴールが決まったら大きなはくしゅでおねがいします!では、選手の入場です!」
大昇「天才ラッパー樹!」(樹コール)
大昇「平成が生んだイケメン!ふっか!(日によって違う)」(ふっかコール)
大昇「サッカー少年、優吾!」(優吾コール)
大昇「金髪の貴公子、京本!黒髪王子、北斗!」「好きな花は薔薇、舘様!アニメを愛し、アニメに愛された男、さっくん!」「お天気お兄様、阿部!お笑い芸人(吉本興業の日もあり)慎太郎!塩顔男子、渡辺!」「全長500m!(スラムダンクの主人公にそっくり!の日も)ジェシー!」「体脂肪率4%の男、岩本照!」
~Brave Soul×ZIG ZAG LOVE~
(ジェシーソロダンク→Snow Man佐久間ソロダンク、渡辺ソロダンク、阿部宮舘コンビネーションダンク、深澤ソロダンク、すの5人の連続ダンク→SixTONES北斗ソロダンク、京本樹コンビネーションダンク、慎太郎髙地ジェシーコンビネーションダンク→すのすと全員で連続ダンク)
※岩本は足の怪我のため、ダンクに参加せず。
★8.和解
阿部「みんな!バスケやって汗かいたから、風呂入ろうぜ!」
(みんながお風呂場に向かうと、一人佇む岩本)
「「「岩本!!!」」」
岩本「お前ら、さっさと入れ!」
「何で今更照れてんだよ!」
岩本「照れてるんじゃない、筋肉アナコンダだ」
岩本「まったく…いつまでバスケやってんだよ!風呂の時間は週2回、20分って決まってるんだから早くしろ!」
樹「はいじゃあみんな体洗うぞ~!まずは右手~!次は~左足!次は~右隣の人の背中~!最後に~左隣の人のお・し・り!」
深澤「はいはいはい!俺みんなに隠してたことがあるんだ。実は俺たち(深澤と北斗)兄弟なんだよね~!」
10人「知ってたよ!!!」
深澤「やっぱり~~?!ほら、顔とかそっくりだもんな?」
北斗「な!4年間、ずっとそっくり!」
慎太郎「なあ、みんな!!今日は千穐楽ということで?!32公演分のダイジェストをやろうと思うんだ!すのすと、整列!!(おもむろに紙を持ち出す慎太郎)」
「紙?」「紙??」
慎太郎「カンペ用意してきたの!よし、じゃあいくぞ!あんまりうけなかったIKKOさん!」
阿部「どんだけぇ~!!」
慎太郎「世界のナベアツ!」
北斗「1.2.さぁんっ!」
慎太郎「久々に見たダンディー坂野!」
岩本「ゲッツ!!」
慎太郎「ただ声がでかいだけのサンシャイン深澤!」
深澤「いぇーーーーい!!!(地声かな?)」
慎太郎「刑務所の妖精も、声出して頑張りました!」
大昇「ジャスティス!!」
慎太郎「可愛いだけでやりきった、渡辺の小梅太夫!」
渡辺「チキショーーー!!」
慎太郎「よく分からないけど、小島よしおゲーム」
髙地「そんなの関係ねぇ!そんなの関係ねぇ!そんなの関係ねぇ!」
ジェシー「はいっ!よしおっぴー!!」
樹「よしおっぴー(笑)」
慎太郎「前にも聞いたことがある、佐久間のほっこり話!」
佐久間「うちのおじいちゃんとおばあちゃん、今でも手繋いで歩いてるの」
慎太郎「もう1回、ダンディー坂野!」
樹「ゲッツ!!!」
慎太郎「そして今年1番盛り上がった…必殺仕事人!」
(みんな右手に木刀、左手で大事な所を隠して京本に斬りかかるも倒されていく。義経の時の音楽がBGM)
宮舘「やっと会えたな…」
京本「最後はお前か…!」
(一騎討ちの末、黄色の光線で倒れる宮舘)
京本「やったよ、父さん…!!」
(義経のクライマックスシーンの音楽。すのすとみんなで手を繋いで)
「ありがとうございました!」
「♪今、別れの時~♪」
(突如として旅立ちの日にを歌い出すすのすと)
樹「さすがに怒られるだろ!(笑)」
♪チャッチャッ(一件落着のメロディー)♪
慎太郎「一晩寝ずに考えたの!これで今日眠れるわ~」
阿部「よく分からないけど、いっぱい思い出作れたことだし!ダンスでもしようぜ!」
※通常バージョン
慎太郎「なぁみんなーーー!バスケやって汗かいて、各自各々いや各自?お風呂入ってスッキリしたじゃん?12人みんなでゲームしたいな~って!(※公演ごとにアドリブ)」
北斗「これはオレンジチームの勝ちでしょ?」
深澤「いやいやこっちのほうが!!」
阿部「じゃあさー、踊りで決着つけようぜ!」)
~桶ダンス~
(看守長「お前たち!何をしているんだ!!…罰として1週間飯抜きだ!」)
Snow Man「「「えーーー!!!」
樹「こんなコンクリートに囲まれたところで、いつまでも生きていけっかよ」
北斗「狭すぎんだよ。自由がない上に、暴れたらすぐに懲罰房だ」
慎太郎「汗臭い空気がいつも淀んでんだよ。冬は寒いし夏は暑いしよー」
樹「看守の野郎…いつまでも俺たちのこと見下しやがって!」
北斗「いちいちでけー声で話しやがってよー!耳ならちゃんと聞こえてんぞ!!!」
慎太郎「全くよー。風呂ぐらいゆっくり入らせろよ!!」
髙地「毎日まずい飯ばっか食わせやがって。あんなもん犬でも食わねーよ!」
~Night Train(SixTONES新曲)~
★9.少年たちの夢
岩本「ある日、俺たちは刑務所の資料室で昔の写真を見つけた」
宮舘「戦争中、この刑務所も軍の施設として利用されていたんだ」
阿部「死と隣り合わせの暗い時代。この写真は、俺たちに何か語りかけてる」
佐久間「俺たちも好き勝手生きてきたけど、やっと分かったよ」
渡辺「何事もなく普通に暮らしていけることが、どんなに幸せかってことに」
深澤「こんな所で過ごしている俺たちだからこそ出来ること、きっとあるよな」
宮舘「ああ、そうだな」
~Snow Dream~
(熱心に資料を読む岩本。雪が散らつくとふと上を見上げるも、また資料に目を戻す)
京本「何やってるの?」
岩本「ああ…昔の写真を見てた。この刑務所の、戦争の歴史だ」
京本「この少年、日記をくれた時の…?」
岩本「そんな訳ないだろ、何十年前の受刑者だと思ってんだよ。それによく見てみろ、そいつはもう、死んでる」
京本「集団脱獄未遂事件…1人の少年が、仲間をかばい…?」
大昇「~さよならとお別れの挨拶を言う代わり 君にこの歌を僕は贈りたい~」
大昇「みんな、ここを出よう!脱獄しよう!!親に会いたいんだろ?大切な兄弟の側にいてやりたいんだろ?……ここは狂ってる。こんな所にいちゃダメだ!!…決行は今夜。集合場所は作業場にしよう」
「おい大昇!そんな所で何やってんだよ?!」
「ダメだって!早くおりてこいよ!!」
大昇「俺は良いから!早く逃げろ!!」
(そして銃で撃たれてしまう大昇)
大昇「これで良かったんだ…ここに来て、みんなと出会って。俺、何のために生まれて来たかやっとわかった。これであいつらのために死ねる。俺、ここが好きだ…」
岩本「ここでこんなことがあったんだな…」
京本「この少年と確かに会った」
岩本「だからそんなことあるはずないだろ?何年前だと思ってんだ」
京本「でも、僕がここに来た日、確かに語りかけて来たんだ。君と僕は一緒だって」
岩本「そっか…きっと寂しかったんじゃないのか?」
京本「…(日記を見つめ)大事にしなきゃな」
深澤「北斗!バシャ📸」
北斗「何やってんだよ、刑務所にカメラなんてないだろ!」
深澤「大丈夫だよ。俺の心の中のハードディスクに記録しておくから…」
北斗「にいちゃ~~~ん!!」
(※ふかほく小劇場は毎回アドリブ)
京本「何してるの?」
深澤「あぁ、俺たちここを出たら、戦場カメラマンになりたいんだ」
北斗「戦争がどれだけ馬鹿げたことかっていうのを、伝えたいんだよ」
深澤「お前はかちこい(賢い)な~~~」
北斗「にいちゃ~~ん!」
京本「何で…筋トレしてるの?」
宮舘「喧嘩ばっかしてる訳にもいかないだろ?」
慎太郎「こうやってエネルギー発散させてんのよ!」
宮舘「なぁ、ここを出たら体使って何かやらないか?みんなが喜んでくれるパフォーマンス!」
慎太郎「良いね~!空とか飛べたら面白いよな~…じゃあそのためにもトレーニングだ!京本くん、君も一緒にやろう!!」
~この星のHIKARI~
(重い荷物を運ぶ樹と渡辺)
渡辺「あ!京本!お前も手伝って!」
京本「何も…ないけど…」
樹「ばかやろーーー!!お前裸の王様って言葉知らないのか?!農家のおじさんが送りつけて来たこの大量のみかんは!バカには見えないんだーーー!!!」
京本「見えたーーー!!!」
渡辺「ねえ、これ良くない?」
樹「何が!!!」
渡辺「俺たちもここを出たら、みんなを笑顔にできるようなパフォーマンスやろうよ!」
樹「良いね!!じゃあまた今度練習しよー!」
渡辺「そうだな、また後にしよう練習は!」
佐久間「おい髙地!落書きなんかしてないで早く手伝えよ~!」
髙地「良いじゃねーかどうせ消すんだから!」
阿部「あれ…でもこの目はもしかして京本?」
「「おぉ!上手いね~!」」
阿部「でも京本だったらこんな感じじゃねーかな?」
「「おぉ!上手いね~!!」」
佐久間「いやいや京本はもっと…こうだろ!!」
「「おぉ!上手いね~!!!」」
京本「みんな上手いね!僕にも書かせてよ!!」
阿部髙地佐久間「「「ダメー!お前は日記でも書いてろ!!」」」
★10.ジェシーの徴兵
(「それぞれの夢を胸に、塀の中での時間を過ごす少年たち。そして時は流れ、別れの時は刻一刻と近づいてくる。」)
髙地「あー、もう少しで出所かー!」
渡辺「早くシャバに出てーな」
京本「でも、みんなともお別れなんだよね…」
佐久間「あ!看守長来た!!」
(看守長「ジェシー、来い」)
ジェシー「俺…?」
(看守長「おめでとう、出所だ」)
「「「うおー!!」」」
北斗「良かったじゃん、おめでとう!」
佐久間「ジェシーが1番かよ~!良いな~!」
(看守長「お前はこれから、外国に行く」)
ジェシー「…なんで?」
(看守長「お前はこの国の人間じゃない。ここを出たらその国の法律に従ってもらう」)
阿部「法律ってなんだよ?」
(看守長「ジェシーの国の戦況が変わったらしい。ジェシーは強制送還され、軍隊に入隊する」)
北斗「軍隊?何でだよ!!せっかく出所できんだぞ!」
深澤「そうだよ!ジェシー、もう少し俺たちとここにいろよ」
(殴られる深澤と北斗)
樹「おい!てめー何すんだよ!!」
(樹も続けて殴られる)
髙地「樹!」
佐久間「おいジェシー、行かなくていいって!」
ジェシー「みんな、聞いてくれ。俺の国には徴兵制度があって、これは俺の義務。だから俺は、行かなくてはならない」
(看守長「ジェシー出ろ!」)
(悲しげな表情で、塀の外へと出て行くジェシー)
京本「岩本!岩本は良いの?昔からの友達なんだろ?!」
岩本「俺の知ったことか」
京本「あいつはまだ、お前と歌いたがってる!」
岩本「だから知らねえって言ってんだろ!!」
京本「ジェシー…!」
ジェシー「良いよな、みんなは。平和な国に生まれて。できれば外に出て、みんなと音楽とかやりたかった…」
深澤「そんなお別れみたいなこと言うなよ!」
慎太郎「ジェシー、待ってるからな!」
北斗「待ってる……音楽でも何でもやってやるから!」
渡辺「約束だ、絶対帰ってこい!」
ジェシー「~さよならとお別れの挨拶を言う代わり 君にこの歌を僕は贈りたい~」
~君にこの歌を~
(みんな歌ってるのに、一人だけ歌わない。背中を向けて佇む岩本。何かを言いかけて言葉を飲み込む阿部)
(岩本が走り去ろうとするのを引き止めようとする京本。どこかやるせない表情で振り返るも、すぐに走り出す岩本。追いかけるようにして走り出す佐久間、渡辺。そしてそれぞれが走り出す)
(…舞台はジェシーの入隊場面へ。「戦場へと強制送還されたジェシー。仲間と別れ、夢を捨て。希望を捨て、銃を手にした少年は、自分の運命に抗うことすら許されなかった」)
ジェシー「This is the first day, today. My name is Jesse.」
(「今日からお前は軍隊の一員となる。国家にに忠誠を尽くし、敵を打ち破るために、お前はここにいる」)
ジェシー「Yes,sir!」
(「シャバへの未練は一切断ち切れ!お前が置かれているのは、戦争という殺し合いの大地だ。つまらない感情は、お前だけではなく部隊全体に被害を及ぼす。分かったな?」
ジェシー「Yes,sir!」
(「生きて帰りたくば敵を殺せ!我々に課せられた任務とは、そういうものだ」)
ジェシー「Sir! Yes,sir!」
~行進~
(兵士となり、ライフルを持った12人が舞台上へ)
阿部「整列!」
(銃を持って、光の演出も加えながら12人が体形を変え行進。最後は煙に包まれ、幕が降りていく。「銃声と火薬のにおいが立ち込める戦場で、果たしてジェシーと少年たちの運命は…?」)
【Act TWO】
★11.その後の少年たち
(「…出所。少年たちにとっての卒業。でも、彼らは知る由もなかった。こんな形でその日がやってこようとは…」)
~My Song~
(間奏)
ジェシー「みんなどうしてるかな、かけがえのない仲間たち。残念だけど、俺はこの国を去る。ここでみんなが出て来るのを待つことはできない。でも、心から応援してるよ。遠い空を眺め、ずっと歌い続ける。届くと良いな~」
(歌を歌うジェシーの後ろには、11人の仲間たち。曲の終わりには、それぞれの道に向かって歩き出す)
(「平和を祈り、歌の力を信じ続けた彼の瞳に、今何が見えているのだろう。塀の外に出た少年たち。もう一つのドラマが始まる…」)
渉「兄ちゃん、やっと刑務所から帰って来れたんだね!」
ジェシー「あぁ…ただいま」
渉「遅いよ」
「渉のやつ、この前もまた1位取ったんだぜ!」
ジェシー「おめでとう」
「次の運動会は、見に来てくれるんでしょ?」
ジェシー「それが…外国に行かないといけないんだ」
渉「そんな…僕待ってたのに…」
ジェシー「これは大人の決まり。仕方ないんだ…ごめんな…」
ジェシー「お前は…?」
大昇「みんなのこと、ずっと見てたよ。弟たちのこと、心配なんだろ?」
ジェシー「ああ…」
大昇「(日記を差し出し)君のことも書かれてある」
京本「京本の日記…?」
大昇「安心させてやれよ、大切な弟なんだろ?」
ジェシー「(渉に日記を渡しながら)これは俺たちが作った歴史。良かったらみんなで見てくれ」
渉「……うん、宝物にするよ」
ジェシー「それじゃあ、行ってくるな」
渉「帰って来たと思ったら、すぐ行っちゃうんだね」
「ジェシー兄ちゃん、頑張ってね!」
「僕たちのことは心配しないで!」
「本当は寂しいけど、僕たち我慢するから!後は俺たちに任せて!」
「「行ってらっしゃい!!」」
~君にこの歌を~
※東京B少年Ver.
「みんな、クヨクヨするな!」
那須「俺たちの夢は、この東京にあるんだ!」
~僕らはMysterious~
浮所「いつの時代も夢を追い続ける。それが少年、それが若者ってやつだ!」
藤井「生きている中で今が1番大切な時なんだ」
浮所「だから立ち止まっている暇なんかない」
金指「さあ、次はみんなの番だ!」
B少年全員「「みんな、後は任せたぞ!」」」
♪Life is beautiful~若者たち(少年忍者)~
~約束の歌~meet you again~(京本)~
(イントロ)
京本「出所して、離れ離れになった僕たち。みんなの夢が叶ったら、またみんなで集まって、バカ話で盛り上がって。そんな約束を胸に、僕たちはそれぞれの道を歩き出した」
★12.現実
京本「異国の地へと旅立ったジェシー。そして、出所しても心を閉ざしたままの…岩本。同じ夢を目指した2人が、また1つになる日は来るのか?」
~青春アミーゴ~
(Aメロ:岩本センターSnow Manバック)
(AメロとBメロの間)
岩本「ジェシー、お前がどうなろうと知ったこっちゃねえよ…」
ジェシー「かけ違えた夢はもう戻らないのか?俺はどうすれば良い?」
(ジェシーセンター、京本以外のSixTONES4人バック)
(ラストサビ前)
ジェシー「戦場で銃を持って暮らす俺。もう昔の俺じゃない。こんな俺が、みんなと会って良いのか?」
京本「岩本!」
岩本「何しに来た?」
京本「みんな出所してからも元気で頑張ってる。またみんなで集まろうって話をしている。ジェシーも呼んで…」
岩本「俺は行かない。出所してからもうだつが上がらない暮らしだ。俺が行く資格なんてない」
京本「ジェシーが会いたがってるんだ」
岩本「知らねえよ」
(曲終わり)
京本「いつまで甘ったれてんだよいつまで拗ねてんだよ!本当はもう分かってるんだろ?後で後悔するのはお前だって!」
岩本「ほっといてくれよ!!」
京本「待ってるからな」
★13.それぞれの友情
~枯葉の影(深澤・北斗)~
深澤「そして、それから…俺と弟の北斗は夢を叶えて戦場カメラマンになった」
北斗「平和の光と、戦争の影を、俺たちは写し出す」
(ダンスをする北斗と深澤の影が映し出される。その後は二手に分かれ、それぞれに赤い照明)
(間奏)
北斗「戦争と平和、その本当の姿を。苦しみながらも、もがき続ける命。その輝きは、失われることはない。戦場でも絶えぬ愛の心」
深澤「それでも俺たちは撮り続ける」
(カメラのシャッター音と共に、スクリーンには戦時中の写真が映し出される。深澤によって作り出されるフクロウと鳩の影。最後は深澤と北斗が作るうさぎの影絵が重なり合い、シャッターが切られる)
(曲終わり)
深澤「いよいよ前線に向かうぞ。紛争の真っ最中だ…ここからは気を付けろ」
北斗「兄ちゃんもな。俺たちの命がないと、伝えることができない」
深澤「ああ」
北斗「ジェシーに会えると良いな」
深澤「…行こう!」
渡辺「俺たちは刑務所で思いついた夢を叶えて」
樹渡辺「「大道芸人になった!!」」
樹「よっしゃいきますか、しょっぴー♡」
渡辺「そうだな、じゅりっぴー♡」
~メクルメク(渡辺・樹)~
渡辺「ボールが飛んできたらごめんなさい!」
(XC-A列間通路センターでジャグリング)
渡辺「(ボールが落ちそうになるもギリギリ成功した渡辺)…っっうぁっ!!」
樹「危なかったね、しょっぴー♡」
樹「あ!こんなところにお花が!」
樹・渡辺「はい、あなたに💐(A列28番のお客さんにお花を差し出す)」
樹「今日は千穐楽特別バージョンだよ♡」
~Anthem(宮舘・慎太郎)~
(イントロ)
宮舘「俺たちは刑務所にいる時の夢、エアリアルパフォーマーになった」
慎太郎「色々と練習大変だけど…お客さんから拍手貰えるとやっぱり嬉しいもんなー。そのために頑張ろうって思えるし。さあ、星空の世界へ行こうか」
(間奏)
宮舘「俺たちは、夢に向かって真っ直ぐ進んで行く」
慎太郎「そうすることが、世の中のためになると信じてる」
宮舘「いつか叶うと良いな、」
慎太郎「ああ、平和な世の中に…」
宮舘「飛び立とう、俺たちの夢を届けるために。さあ、満天の夜空に…」
(曲終わり)
宮舘「京本から連絡があった。またみんなで集まろうって」
慎太郎「楽しみだな」
宮舘「みんな、どうしてるかな?」
阿部「俺たちは刑務所での落書きを活かして、ストリートアーティストになった!」
佐久間「京本の似顔絵、懐かしいな~!」
阿部「今思うと、あの落書き酷かったよな~」
佐久間「でも、楽しかったな」
髙地「さあ!今日もやってやりますか!」
~Crush(阿部・髙地・佐久間)~
(3人によって描き出される平和の絵。線画担当の佐久間が、スプレーで一気に描き上げる)
(間奏)
佐久間「この作品のテーマは、“愛と平和”だ!」
阿部「鮮やかな色彩は、人の心を豊かにするんだぜ!」
髙地「他のみんなも頑張ってるらしいぞ?」
阿部「俺たちも負けてらんねーな!」
佐久間「ああ!」
髙地「さあ、仕上げるぞ!」
(阿部が着色、髙地が文字担当)
(最後は3人それぞれのメンバーカラーを、イラストのメイン部分に)
髙地「俺たちの作品を、世界中に広めていこう」
京本「それぞれの道で活躍する仲間たち。みんなに笑顔、そして平和を。今はまだ小さな力だけど、いつか自分たちが世界を変えて行くんだって。みんな、そんなエネルギーに溢れていた。そしてついに、約束の日が来た…みんな、頑張ってるね!」
慎太郎「こんなもんじゃねえよ、もっともっと上を目指すさ」
宮舘「お前たちのあの時のパフォーマンス、すごいことになってるな!」
樹「まあ、元々の才能もあったんだけどな!」
渡辺「お前らの落書きよく見るぞ!」
髙地「落書きじゃねーよ、世界中の人をHAPPYにさせるアートだ!」
阿部「たくさんの人を幸せにするために、頑張ってるよ」
佐久間「よく帰って来たな…どうだった?戦場は」
深澤「それが…」
北斗「みんな、伝えなきゃならないことがある」
深澤「ジェシーは、あいつはここには来ない…」
「「「え?」」」
京本「岩本…来てくれたんだ」
岩本「ああ。俺も色々考えた。そろそろけじめつけねえとな。ジェシーは?」
京本「ジェシーはここには来ない」
岩本「そうか…まあそんな簡単には許してくれないよな。じゃあ今から俺がジェシーの所に行って…」
京本「そうじゃないんだ!!ジェシーは…!」
★14.戦場
ジェシー「俺に与えられた使命は敵陣への偵察…しかもたった1人で。ついてないな。もしここで敵と出会った場合、俺は銃を撃つことができるのだろうか…しまった!敵の偵察兵だ!」
~裸の少年~
(イントロ)
ジェシー「…おい嘘だろ?あいつはまだ子どもじゃないか!俺なんかよりもずっと若い…なりふり構わず子どもまで戦場に送り込んできやがって…俺はあいつを撃たなければならないのか?」
ジェシー「『戦争では優しい奴から死んでいく』誰が言ったんだ。敵に包囲され、次々と倒れていく仲間たち。さっきまで一緒に笑って飯を食っていた奴の頭が転がっている。腕をなくして、もがき苦しんでいる奴もいる。炎に包まれていく俺の部隊。たくさんの屍の上に、更に銃弾が降り注ぐ」
~They Don't Care About Us~
(ジェシーのバックには、迷彩服に身を包み、黒いキャップを深く被っている京本以外の10人)
※日本語歌詞
逃げ出してしまいたい 深く長い闇の中
戦いはいつまで続く?
彷徨い、見ている 凍りついた夜の街
消えてしまったその笑顔
(曲が終わると再び銃を構えるジェシー)
深澤「おいジェシー、何してるんだよ!!」
ジェシー「お前たち、どうしてここに…俺は仕事をしているだけだ。見ろよこの勲章…敵をたくさん倒すともらえるんだよ」
北斗「どうしたんだよジェシー!!」
ジェシー「ここはお前らの来るところじゃない!戦いの邪魔だ!帰れ!」
(北斗を振り払い、再び銃を構えるジェシー)
北斗「帰れって言われて、帰れるわけねえだろ!!!」
ジェシー「うるせえよ…」
深澤「…そして、その時だった。まさかあんなことになるとは……」
★15.死
(銃を構えたジェシーの元に、銃弾が降り注ぐ)
深澤「ジェシー!!!」
深澤「落ち着け、!」
北斗「兄ちゃん、ジェシーが!!!」
(ジェシーの元に駆け寄る北斗と深澤)
深澤「おい!ジェシー!!」
北斗「ジェシー嘘だろ?!嘘だって言ってくれよ!!」
深澤「こんなことってありかよ?!」
ジェシー「何もない…毎日が、幸せだった。みんなと過ごした時間は、俺の…宝物…」
北斗「最期みたいなこと言うんじゃねえ!!」
ジェシー「この手紙…みんなに…」
深澤・北斗「「おい?!ジェシー!!!」」
北斗「これが、その手紙だ」
(京本に手渡すと、ゆっくりと手紙を開く京本)
京本「この手紙をみんなが見ているということは、きっと俺はもう、この世にはいないだろう。みんな、約束を果たせなくてすまない…刑務所にあるブランコの丘で、もう一度みんなと会いたかったな…」
(手紙を書いているジェシーの姿)
ジェシー「…仲間のことを想像している時だけ、戦場にいることを忘れて自由になれた。人間は1人だけど孤独じゃない。仲間と出会えたことが、俺の人生の支えだった。みんなは立派に夢を掴んだんだよな。樹と渡辺。持ち前の明るさとユーモアで、みんなを楽しませてるんだってな。俺も一度見てみたい」
渡辺「だったら見に来てくれよ!」
ジェシー「たくさんの拍手に包まれた、2人の姿」
樹「何勝手に死んでんだよ…!」
ジェシー「深澤、北斗。兄弟で戦場カメラマンになったって聞いたよ。これからもずっと伝えてくれ。戦争という馬鹿げた世界を」
北斗「ジェシー…助けられなくてごめん…」
ジェシー「愛に溢れたお前たちなら出来る」
深澤「ああ、分かったよ」
ジェシー「慎太郎、宮舘。運動神経抜群のお前たちのことだ、すごいショーに違いない!目に浮かぶよ、宙を舞う2人の姿が。怪我とか絶対気を付けろよ」
宮舘「その言葉、しっかり心に刻んでおくからな」
慎太郎「そうだな」
ジェシー「この間、佐久間・髙地・阿部の作品を見たよ」
阿部「ジェシー!!」
ジェシー「衝撃だったなー…」
髙地「お前に見せたい作品まだまだあんだよ!」
ジェシー「平和と自由に溢れた作品だった。戦場で銃を持った俺だから分かる。これからも良い作品をいっぱい描いてくれ」
佐久間「当たり前だろ!お前のために描いてるんだから!」
ジェシー「これからの世の中のために…」
阿部「分かったよ、任せとけ!」
ジェシー「京本、俺はお前の優しさに救われたよ。今だって、俺をみんなに会わせようと動いてくれてる。仲間のために、人のために、一生懸命になれるお前のこと、本当に素敵だと思う」
ジェシー「岩本。最後まで誤解がとけないままこうなってしまって、本当にすまない。残念ながら、お前と歌う日はもう来ない…せめてお前だけでも歌を歌ってくれ。勝手だけど、俺が出来なかった分も頼む。不思議だな~!仲違いしていても、こうしてお願いが出来るなんて。岩本が許してくれているかどうかは分からない。でもお前は、1番の友達だったよ。ありがとう。…みんな、弟たちのこと、よろしく頼む。あいつら寂しがってるんだろうな~…まだ幼いけど、これから立派に育っていくことを願ってる。人生は素晴らしい。悲しんでいる暇なんてない。みんな、それぞれの“それから”を一生懸命生きてくれ。明日に向かって真っ直ぐ進んでくれ。さようなら、最愛の仲間たち」(From Jesse)
~あいつのぶんも生きる~
★16.EPILOGUE
岩本「やっと見つかったよ…俺のやるべきこと。ジェシー、俺が届けてやるよ。世界中に。お前の歌えなかった歌を、お前の想いを、伝えてやる」
宮舘「俺たちも俺たちなりのやり方で」
慎太郎「ああ。体使って、少しでも多くの人に」
北斗「これからも撮り続ける」
深澤「戦争という悲劇が世界中で繰り返されていることを、伝えないといけない」
佐久間「俺たちはアートの世界で」
髙地「方法は違っても、きっと届くさ」
阿部「なあ、岩本!」
岩本「ああ…」
渡辺「ジェシーの想いを、平和を伝えるために」
樹「そうだな!」
京本「あんなに優しかったジェシーのことを。そんな命が、何故失われていったのかを…」
~君にこの歌を~
大昇「そして、それから…悲しみと平和への希望を胸に、少年たちは進み続ける。少年たちの築いた歴史は、色褪せることなく輝き続けるだろう」
岩本「ジェシー!久しぶりだな。あれから随分月日が経って、俺にも家族ができた。父親になったんだぞ、男の子が2人だ。信じらんねーよな。会社に就職して、サラリーマンをしながら音楽を続けてる。まあ…平凡な人生だけどさ、このありふれた毎日こそが幸せなんだよな。お前のおかげで分かったよ。ありがとな、ジェシー…」
岩本「いつの時代も、人は戦いに明け暮れる。人間の長い歴史の中で、戦争がなかった日など一度もない。今日もどこかで、戦争は起こっている。戦争と無縁な人生、それが当たり前だと思っているのは、この国に住んでる人だけだ。このありふれた毎日こそが幸せなんだ。俺たちはそのことに気付き、平和を守るために声をあげていかないとな。…そうだよな、ジェシー」
ジェシー「Yes,that's right」
(ジェシーからの手紙をそっと広げて、読み返す岩本。ブランコの揺れる音に振り返ると、そこには誰もいない。ジェシーの面影だけを感じて、「ジェシーらしいな」とでも言うような笑顔を浮かべる岩本。少し悲しげにブランコの音が響く中、エンドロールが流れ始める)
~エンドロール~BGM:君にこの歌を~
髙地優吾
田中 樹
岩本 照
深澤辰哉
渡辺翔太
東京B少年 岩﨑大昇
少年忍者
Special Thanks
声の出演
【SHOW TIME】
1.NON STOP
2.この星のHIKARI
3.Party!Party!Party!
4.Hysteria
5.Daybreaker
6.かがやきの日々
7.We’ll Be Together
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少年たち そして、それから…
2018年9月7日-28日 / 日生劇場